2011年11月19日土曜日

乱読のすすめ24-三宅勝久「電力腐敗」

新人物文庫


   きょうは福島県議選、最終日。除染、全面賠償、原発からの撤退、が争点です。
   朝から福島市内を、応援演説でかけめぐります。

    先日、民主党のある議員が教えてくれました。

    東電福島原発の事故がおこるまえは、自民や民主などの国会議員が原発の視察にいくと、電力会社が近くの高級旅館で宴席をもうけ、飲めや歌えの接待をし、地元のお土産を持たせて帰したとのこと。
   原発マネーに抱きこまれていく、国会議員たちのあさましい姿が目に浮かぶようでした。


   わたしも何度か原発の視察にいきましたが、お土産ひとつもらったことがありません。
   むこうも出そうとしません。だから、日本共産党は、はっきり「原発ノー」といえるのです。

    三宅勝久さんの新著「電力腐敗」も、電力会社と政・官・司法の癒着をリアルにえがいています。
    原発「利益共同体」の黒々とした世界をあばいた赤旗編集局の「原発の闇」もすごい本ですが、三宅さんのこの本も、生々しさでは負けない。

新日本出版社










   三宅さんは、細身でやさしい顔をした方ですが、いつもたった一人で、巨悪を追及する気骨のジャーナリストです。

  ひと昔まえは、サラ金の高金利や冷酷な取りたてが問題になっても、大新聞はなかなか取り上げませんでした。
   サラ金は、マスコミが自分たちに都合のわるいことを報道をすると、広告を出すのをやめたり、すぐ「名誉棄損」で訴えたりして、批判を封じ込めていたのです。

   そんな頃、悪徳サラ金、武富士の非道を、堂々とあばいたのが三宅さんでした。武富士から「名誉棄損」で告訴されますが、正面からたたかって、勝訴をかちとりました。

  ペンは悪に強し。牙をぬかれた大新聞の記者たちよ、三宅さんを見習え!