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童心社 |
金子みすゞ 「わたしと小鳥とすずと」
わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように たくさんのうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。
そうはいっても、ぼくのクラスにやってきた、てんこうせいの「たかこ」は、ちがいすぎるのだ
あるひ たかこが ねむそうに がっこうに きた
「どうしたの?」
「ものがたりを えたり。 ひるはひぐらし よるは めのさめたる かぎり、
ともしびを ちかく ともして はしる はしる これを みるより ほかのことなし」
平安絵巻からとびだしてきたような、いとをかしい「たかこ」…はたして、クラスのみんなとうまくやれるのか。
どうせ人とちがうなら、思いきってちがうべし。
「たかこ」(清水真裕・文、青山友美・絵)は、笑って、こころがなごんで、爽快になる絵本です。