2011年11月1日火曜日

乱読のすすめ16-「マリス博士の奇想天外な人生」



  1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス博士は、女性が大好き。世紀の大発見も、デート中の車のなかでひらめきました。

   博士が開発したPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、DNAの断片を増幅できるマシン。任意の遺伝子を試験管のなかで自由自在に複製することを可能にした画期的なもので、生物化学の発展におおきく貢献しました。

   マリス博士の受賞をつたえる当時の新聞の写真は、なんとサーファーすがた。

   大見出しにも、「サーファーがノーベル賞受賞!」の文字が踊りました。

   「マリス博士の奇想天外な人生」(早川書房)は、博士の少年時代からの破天荒な生き方をつづったノンフィクションです。

   とくに、マリス博士のお母さんは「超大物」。

   マリス少年はなんでも自分で実験してみないと気がすみません。
   あるとき、悪ガキ仲間と自作ロケットを発射させ、それが大爆発。庭の大木を丸ごと火事にしてしまいますが、お母さんは叱りません。
   「 キャリー、眼をふっとばさないよう気をつけなさいよ 」というだけ。

    なんとも、楽しい人生ものがたりです。