2011年11月30日水曜日

映画のすすめ6ーカレン・シルクウッド事件

メリル・ストリ―プ主演
「シルクウッド」













    カレン・シルクウッド事件をご存知ですか?

   1974年に実際にあった、プルトニウムがキーワードの事件です。

  ※プルトニウム 
自然界にはない元素で、ウラン235の核分裂で作られる。猛毒性をもち、その半減期は2万数千年といわれる。

   カレン・シルクウッドは、アメリカ、オクラホマ州にある原子力関連企業カーマギー社のプルトニウム工場ではたらく化学技師であり、労働組合の活動家でもありました。
   ある日、カレンは放射能探知機に感知されたことをきっかけに、原子力委員会の資料を読みこみ、社内でプルトニウムの危険性をうったえるようになります。

2011年11月29日火曜日

カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手②

宮城県名取市






   「乱読のすすめ19」でふれた「仙台カジノ構想」。産経新聞などの報道では、「地元住民からカジノ建設を求める1万人をこす署名が集まるなど、強い要望が出されている」とのこと。

   ほんとうでしょうか。

   実際に仙台空港周辺(宮城県名取市)の被災された住民のみなさんとお会いして、直接、話をうかがいました。

2011年11月28日月曜日

カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手①

賭博場解禁をねらう人たち

   先日、海外の経済専門通信社であるブルームバーグの記者から、インタビューの申し入れがありました。テーマは「日本の被災地におけるカジノ(賭博場)建設について」。海外メデイアはかなりこの問題に関心をもっており特集記事をくみたい、 推進派の国会議員のインタビューをとったが、公平を期すため反対する議員の意見も聞きたいとのこと。

   日本で被災地に賭博場をつくり、海外からお金持ちを呼び込もうという動きがあるのを、世界中に発信されること自体、恥ずかしいことだとおもいました。

 どこまで記事にされるかわかりませんが、以下の点を話しました。

2011年11月27日日曜日

絵本のすすめ17-「たかこ」

童心社










      金子みすゞ 「わたしと小鳥とすずと」

   わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、
   とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。

   わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、
   あの鳴るすずはわたしのように たくさんのうたは知らないよ。

   すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。



    そうはいっても、ぼくのクラスにやってきた、てんこうせいの「たかこ」は、ちがいすぎるのだ

2011年11月26日土曜日

乱読のすすめ26~28-母を想う三冊の文庫本










   この1週間、国会内の本屋さんや駅の書店をのぞいても、読みたくなるような本に出会えません。大きなブックセンターを1日かけてゆっくり回ってみたいとおもいますが、当分は無理のようです。

   夜中に、なにか再読するものはないかと、支離滅裂に分類された自宅の本棚をかきわけていると、前後二段に積まれた本の奥に、母を題にした文庫本が、三冊きれいに並んでいました。

   なぜその三冊だけ、関連性をもって鎮座しているのか。 自分で並べた記憶もなく、母という神聖かつ絶対的な存在が、みずから引き寄せあって確固たる位置をしめたとしか考えられませんでした。

2011年11月25日金曜日

選ぶべき道は脱原発です

選ぶべき道は脱原発
ではありません









   「WⅰLL 」という月刊誌をよんでいて、びっくりしました。

   評論家の櫻井よしこさんが、写真入りで「選ぶべき道は脱原発ではありません」という意見広告(国家基本問題研究所)をだしています。いったい、その意図はどこにあるのか。

2011年11月24日木曜日

世界でいちばん重要なこと


ナオミ・クラインさん









   いまアメリカでは、経済格差の広がりに抗議する「ウオール街を占拠せよ」運動が、2ヶ月以上にわたって続いています。ロンドンでも先月中旬、「ロンドン証券取引所を占拠せよ」のデモがおこなわれたとのこと。

   日本なら、「兜町を占拠せよ」といったところでしょうが、どうも兜町ではピンとこない。
   ずばり、経団連ビル、または民主党本部を占拠せよというイメージではないでしょうか。

2011年11月23日水曜日

絵本のすすめ16-「しげちゃん」

室井滋・作 長谷川義史・絵 金の星社











   自分の名まえが好きですか?
   子どものころ、名まえのことで、からかわれたり、いじめられたりしたことはありませんか?

  女の子なのに、しげるという名まえのしげちゃんは、小学1年生の入学式のときから、男の子にまちがわれ、いやなおもいをします。

  「 ねぇ、お母さん わたし、じぶんの名前、キライ! もっと かわいい 名前に かえてよ」
   泣きべそをかくしげちゃんをだっこしながら、お母さんは、滋(しげる)という名前にこめた、お父さんとお母さんのねがいについて話してくれました。

2011年11月22日火曜日

民主と自民、どこがちがうの?

上島竜兵さん








   民主党政権になって2年以上がたちました。自民党政治を変えるといって政権をとっておきながら、いまや消費税増税やTPP参加など、かつての自民党の路線を継承し、前へすすめようとしている民主党。国民をバカにするにもほどがあります。

   いっぽう、自民党は自民党で、なんで民主党と対立しているのか自分でもよくわからなくなって、昨日の質疑もふくめ、あげ足取りのつまらない質問ばかりくり返しています。

   このままいくと、質問することもなくなり、こんなやりとりが行われるかも…。

2011年11月21日月曜日

御用学者

「出来ごころ」(小津安二郎監督)







   広辞苑によれば、御用学者とは、権力に迎合し、学問的節操のない学者さんのことをいうそうです。
   政府の審議会委員になって政府の方針にそった意見をのべたり、政府に都合のいい調査結果をまとめたり…国会にいると、そういう学者さんが目につきます。

   政府の息が掛かれば、箔(はく)がつき、講演の数も増え、本も売れる。結局、お金のためなのでしょうか。

2011年11月20日日曜日

乱読のすすめ25-石井光太「遺体」

絵・金井英明










   きのう福島駅の書店でみつけ、帰りの新幹線で読んだのは、ルポライター石井光太さんの最新刊「遺体」(新潮社)。

   この八か月、何度も三陸の被災地に出かけ、まちの復興や事業者の再スタートをどうすすめるか、現地の方々からお話をうかがいました。

  そのなかには、家族を亡くした方もたくさんおられましたが、どなたもその死について、多くを語ろうとされませんでした。

2011年11月19日土曜日

乱読のすすめ24-三宅勝久「電力腐敗」

新人物文庫


   きょうは福島県議選、最終日。除染、全面賠償、原発からの撤退、が争点です。
   朝から福島市内を、応援演説でかけめぐります。

    先日、民主党のある議員が教えてくれました。

    東電福島原発の事故がおこるまえは、自民や民主などの国会議員が原発の視察にいくと、電力会社が近くの高級旅館で宴席をもうけ、飲めや歌えの接待をし、地元のお土産を持たせて帰したとのこと。
   原発マネーに抱きこまれていく、国会議員たちのあさましい姿が目に浮かぶようでした。

2011年11月18日金曜日

絵本のすすめ15-「レッド ツリー」

ショーン・タン/作、早見優/訳












   いい日もあれば、わるい日もある。

   きょうは「いい日でした」と、眠りにつければ、しあわせ。

  「どうして、きょうは、わるいことばかり重なるの。最悪~!」
   そんな気分で眠れぬ夜は…。

乱読のすすめ23-R・D・ウィングフィールド「フロスト警部」













   「フロスト警部シリーズを読んだことありますか?」…妻と同じ名前のU・淳子さん(東京)から、メールをいただきました。

2011年11月17日木曜日

乱読のすすめ22-井上ひさし「この人から受け継ぐもの」

岩波書店













   2010年4月9日、井上ひさしさんは永眠されました。

   「けっして裏切れないともだち」として、最後まで憲法9条にこだわった井上さん。
   かずかずの名言も残しました。

   一番有名なのは、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」

   しかし、 「ふかいことをおもしろく」はなかなかむずかしい。たとえば、井上さんは、若い女性の存在不条理さを、つぎのように表現します…

2011年11月16日水曜日

国会議員の「品格」

絵・あべ弘士







  いっとき、「**の品格」という本がはやりました。
   あまりに世の中が乱雑になってきて、礼節や気品というものが見直されるようになったのでしょうか。

   もとより、国会議員に「品格」など期待されていないのかもしれませんが、きのうの参院予算委員会の総括質疑(NHK放映)での自民党議員の質問は、あまりに品位に欠け、聞くに耐えられないシロモノでした。

2011年11月15日火曜日

乱読のすすめ21-ジョン・ハート「川は静かに流れ」

早川書房










   アメリカは好きですか?
   TPPへの参加を強要したり、軍事基地を置いて居座ったり、日本を目下の子分のようにあつかうアメリカ。
  アメリカが好きですか? 

2011年11月14日月曜日

馬に犂(すき)を引かせて

大空町のカラマツ林(黒澤明の映画「夢」のロケ地です)











   きのうは北海道北見市で開かれた原発問題学習会によばれ、話をしました。北海道の泊原発は地震に弱い。泊がなくても、電力供給は足ります。廃炉をもとめて、運動を大きくしていかなければなりません。

   帰りの飛行機まで少し時間があったので、女満別(めまんべつ)空港ちかくの大空町を散策。11月半ばのオホーツクにはめずらしく、おだやかな陽ざしが大地をあたため、澄みきった青い空が遠くまで広がっていました。

   丘にあがって、写真をとっていたら、地元の農家のおじいさんと出会い、話しこみました。

2011年11月13日日曜日

絵本のすすめ14-「手ぶくろを買いに」

新美南吉、作 黒井健、絵 偕成社











   テレビドラマの名作「北の国から」のなかで、小学生のほたるちゃんが、きたきつねを餌付けしようと、毎晩、「るるるー、るるるー」と、森にむかって呼びかけるシーンがあります。

   ひょこり、草のあいだから顔をだす、きつね。

   あのきつねにも、こんな家族とのくらしがあったのかもしれない…。

2011年11月12日土曜日

絵本のすすめ13-「世界で一番の贈りもの」

マイケル・モーパーゴ作 評論社










   1914年、第一次世界大戦中のさなか、西部戦線で戦っていたひとりのイギリス軍兵士が、妻にあてた手紙には、信じられない出来事がつづられていました。

   最前線で戦う英独の兵士たちにとって、最高のクリスマスプレゼントになった一日とは…。

2011年11月11日金曜日

乱読のすすめ20-E・トッド「自由貿易は民主主義を滅ぼす」



   立場が違っても、気骨のある人の本は、頭から毛嫌いせずに読んでみるべきだとおもいます。
   こちらの気骨が本物なら、へんに感化されることもないでしょう。

   たとえば、フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドさんは、「日本は核武装すべきだ」など、時々とんでもないことを口走ったりする人ですが、文明論そのものは角度が新しくて面白い。

   きのうは福島県議選応援のため、東京ー福島間を往復。そのときの「新幹線読書」は、トッドさんの新刊「アラブ革命はなぜ起きたのか」(藤原書店)でした。

2011年11月10日木曜日

絵本のすすめ12-「おとうさんのちず」

ユリ・シュルヴイッツ作 あすなろ書房











  父親は、子どもにパンを食べさせるだけの存在なのか?

  戦争で故郷を追われ、他国にのがれてきた家族にとって、食料の確保こそ、いちばん大事。

  にもかかわらず、お父さんがパンの代わりに買ってきたのは…


2011年11月9日水曜日

乱読のすすめ19-若宮健「カジノ解禁が日本を亡ぼす」





祥伝社新書、新刊











  きのうは宮城県の県会議員選挙の応援に。争点は宮城の復興と県民のくらしの再建です。

   ところが、こともあろうに、ギャンブルで被災地を復興させようという「仙台カジノ構想」が浮上しています。そこには、おろかな政治家たちの姿と、うしろで操るパチンコ業界の影が…。

2011年11月8日火曜日

TPPに参加したら、どうなるの?

すでに8年前にアメリカの対日戦略
を鋭く告発していた異端の書
   













     ときは20**年、アメリカにおどされて、TPPに参加してしまった日本。
     ちまたでは、こんな光景が…

2011年11月7日月曜日

わたしの「コルチャック先生」

絵・あべ弘士








  わたしの中学生時代の恩師は、生徒おもいのところも、風貌も、コルチャック先生によく似ています。

   中学1、2年生のころは、大変な「問題児」でした。担任の先生にも見放されたころ、「大門のことは、ワシにまかせてくれ」と買って出てくれたのが、植山忠次郎先生でした。

2011年11月6日日曜日

乱読のすすめ18-姜尚中「あなたは誰?私はここにいる」

デューラー「自画像」













   あなたは、この絵をご覧になって、なにを感じますか?

2011年11月5日土曜日

映画のすすめ5-最大の勇気












  おととい、ご紹介した「ぼくは13歳 職業、兵士」のなかのチャールズ君の話に、ショックをうけたというメールをいただきました。反政府軍のような残酷なことを、どうして人間はできるのか、と。 
  映画「シンドラーのリスト」のなかで、たくさんのユダヤ人の命を救ったシンドラーが、残虐なナチスの将校のことを、「戦争はつねに人間の最悪の部分を引き出す。平和な時なら、あいつも普通の男だ」と言うシーンがあります。

  人間のこころには、もともと、「最悪の部分」が潜在しているのでしょうか。

  アフリカ・ルワンダの悲劇をえがいた、実話にもとづく2つの映画があります。

2011年11月4日金曜日

絵本のすすめ11-「コルチャック先生」














  小児科医であり教育者でもあったユダヤ人、コルチャック先生の感動の実話は、かずかずの本にもなり、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督によって映画化もされています。

   しかし、トメク・ボガツキの絵本(柳田邦男訳、講談社)ほど、コルチャック先生の子どもにたいする愛情の深さと時代への憂いを、わたしたちの胸にじかに刻みこむものはないでしょう。

2011年11月3日木曜日

乱読のすすめ17-「ぼくは13歳 職業、兵士」





   「ぼくは、お母さんの腕を切り落としました…」

  2000年のある日、アフリカ・ウガンダ北部の村で、ふつうに家族とくらしていた12歳のチャールズ君は、反政府軍の兵士たちに誘拐されます。
  その数日後、兵士たちはチャールズ君を村へ連れてきて、お母さんを「殺せ」と命じます。「いやだ」と抵抗するチャールズ君にたいし、兵士たちは鉈(なた)を持たせ、「それなら、片腕を切り落とせ。さもないと、お前もこの女も殺す」とおどしました…。

人生は酒と本2-「社会派」杜甫と、「酒飲み」李白




   中国の二大詩人、杜甫(とほ)と、李白(りはく)の、どちらがお好きでしょうか?

   「どちらも、知らない」、 という方のために、少しだけ解説を。

   ふたりが生きたのは、8世紀前半の唐の時代。

   杜甫は、民衆の苦しみを詩によむなど、「社会派」的なところがあり、技巧も質実でした。

    有名なのが、「春望(しゅんぼう)」

   国(くに)破れて山河(さんが)あり 城(しろ)春にして草木(そうもく)深し…

2011年11月2日水曜日

ペンは金にも弱し

この本は本文の内容と
なんの関係もありません










   きのう、A新聞の社会部の記者が、国会のわたしの部屋を訪ねてきました。
   社会部のベテラン記者らしく、無精ひげに濁った眼をしていました。

   先月28日の国会質問で、わたしが、山岡賢次消費者担当大臣とパチンコ業界の関係を追及したときの資料がほしいとのこと。
   関係資料をわたしてあげたら、「パチンコだから、在日からの献金もあるんでしょうね」といいました。
  「さあ。それより、ギャンブルの合法化をくいとめるために、A新聞もがんばってもらいたい」というと、彼は、「へへ」とわらって、「マルチ企業からの献金も、なにかつかんでいませんか?」と聞いてきます。

2011年11月1日火曜日

乱読のすすめ16-「マリス博士の奇想天外な人生」



  1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス博士は、女性が大好き。世紀の大発見も、デート中の車のなかでひらめきました。

   博士が開発したPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、DNAの断片を増幅できるマシン。任意の遺伝子を試験管のなかで自由自在に複製することを可能にした画期的なもので、生物化学の発展におおきく貢献しました。

   マリス博士の受賞をつたえる当時の新聞の写真は、なんとサーファーすがた。