2011年11月29日火曜日

カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手②

宮城県名取市






   「乱読のすすめ19」でふれた「仙台カジノ構想」。産経新聞などの報道では、「地元住民からカジノ建設を求める1万人をこす署名が集まるなど、強い要望が出されている」とのこと。

   ほんとうでしょうか。

   実際に仙台空港周辺(宮城県名取市)の被災された住民のみなさんとお会いして、直接、話をうかがいました。

   Aさん 「署名? 町内の回覧板みたいなものが回ってきて、名まえを書いた気がするが、そこにはカジノなんて書いてなかったんじゃないかな」

 <市議会に一部の住民組織から「カジノ建設」を求める請願は提出されたが、請願署名については非公開とのこと。通常、請願署名は要望の大きさを示すため公開されるはずのものなのに不思議。またその数も定かでなく、1万人の署名というのはどこでも確認できなかった。記者が確認もせず、(あるいは意図的に)関係者のことばをそのまま記事にしただけではないか>

   Bさん 「津波で何もかも流された。集団移転といっても、土地が高く売れないと、借金をかかえることになる。どうやったら高く売れるのか、みんなで相談していたときに、『あるところ』から、カジノを造れるようにすれば、土地を高く買ってくれるという話がきた」

<『あるところ』については、「パチンコ関係」という言葉も出たが、具体的には教えてもらえなかった>

  Cさん 「利権がらみじゃ嫌だなとおもっていたら、PFI協会の人が利権屋を排除してくれた。いまはPFI協会の植田さんなどがカジノ推進の相談にのってくれている」

<PFI協会とは、日本の各地に賭博施設をつくろうと躍起になっている団体で、理事長は植田和男氏(東大大学院教授)。利権屋を「排除してくれた」のではなく、うさん臭くおもわれないように、代わりに乗り出してきたのではないか。PFI協会の活動資金の出所を調べてみる必要があるとおもった。>

   Dさん 「5月の、まだみんなが着るものや食べるものに困っているときに、「仙台エアポートリゾート構想(カジノ構想)」の説明会があった。参加したおじさん、おばさんたちは何のことやらさっぱりわからなかったのではないか。仕事がふえる、雇用がふえるといわれれば、いいことかなとおもってしまう。ただ、大震災がなければ、カジノの話なんか持って来なかっただろう。そこまで落ちたとおもわれているのかと、くやしくて涙がでた」

わかったことは…
・名取市への賭博場誘致は、津波でやられた「K地域」の土地を所有者する一部の人たちが強く要望しているもので、名取市民全体には、賭博場誘致の話そのものが知られていない。広く知れわたれば、環境、教育問題など反発が広がるのは必至。
 ・津波で何もかも失い途方にくれていた人びとに、「あるところ」(外部の人間)から、賭博場の話が持ち込まれた。それも最初は露骨な利権がらみの話だった。パチンコ関係者の影もあった。
・そして現在、カジノ誘致を求める地元の一部の人びとに助言し、誘導しているのは、PFI協会である。

   PFI協会、植田和男氏のうごきの背景にあるものは?
   また、それに呼応した宮城県議会の推進議員連盟のうごき、国会議員のうごきは?


         つづく