2013年3月28日木曜日

乱読のすすめ80-なぜ福島にロボットを送れなかったか

マービン・ミンスキー・MIT教授










   1979年、アメリカのスリーマイル島で原子力発電所事故が起きたとき、高い放射線量のため、誰も修復作業のために中に入ることができないという事態となりました。
   その翌年ひとりの科学者が、原発事故の現場など人間が立ち入ることができない場所で作業を行うため、リモコン操作で動かせるロボットを開発すべきだと提唱しました。「人口知能の父」とよばれる米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のマービン・ミンスキーさんでした。
   しかし、それから31年もあとに起きた東電福島第一原発事故ですが、事故現場に有効に対応できるようなロボットは開発されていませんでした。

2013年3月25日月曜日

乱読のすすめ79-人生すべて恋のごとし


馬場あき子 角川学芸出版












      花の色は昔ながらに 見し人の心のみこそ うつろひにけれ
                                元良親王
   (花の色は昔のまま変わらずに今年も咲いたが、ともに契ったあなたの心だけは、私から離れてしまったのですね)

2013年3月14日木曜日

なにが幸せかわからない

デリーのスラム街のこどもたち

 








   「インド人は時間にルーズで、約束を守らない」 「ビジネスでは付き合いづらい人たちだ」
   インドで仕事をしている日本人から異口同音にそういう話を聞きました。
   ひょっとしたら、むこうも日本人のことを「せっかちで変な人たち」とおもっているのかもしれません。

2013年3月6日水曜日

無縁仏












   自殺は、人の命に関わる 極めて「個人的な問題」である。
   しかし同時に 自殺は「社会的な問題」であり 「社会構造的な問題」でもある。
                 (NPO法人ライフリンク『自殺実態白書2013』より)

2013年3月5日火曜日

デフレって、ほんとう?

絵 鈴木周作さん









   1月に札幌の婦人集会でお会いしたある女性の方から「デフレだといわれても、物価が安くなっている実感がないのよ」といわれました。また被災地宮城県塩釜市の集まりでも「デフレどころかガソリン、灯油があがっている」という声が聞かれました。
  
   データ的には消費者物価全体は下がっているのに、なぜ私たちに物価安の実感がないのか。

2013年3月4日月曜日

乱読のすすめ78-古川美穂「ギャンブル大国ニッポン」










   私の質問や本ブログでもとりあげてきた日本でカジノ(賭博)合法化をめざす国会のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)。安倍総理と麻生副総理はその議連の最高顧問でしたが、ほんとうに日本で賭博を解禁するつもりなのでしょうか。
  また維新の会の橋下徹氏は、異常なほど賭博解禁に熱心で、賭博場を含む統合型リゾートを大阪などに誘致するため、賭博場を合法化する法案をこの通常国会に提出するとしています。鳴り物入りで登場した維新の会が、最初に国会で提案する法案が賭博解禁法とは呆れてしまいます。

   賭博解禁はパチンコ問題にも関係し、日本の暗部と正面から対峙(たいじ)する問題です。それだけにこの問題にとりくむジャーナリストは少なかったのですが、新たに勇気ある女性ライターが登場しました。雑誌『世界』などに執筆してきた古川美穂さんです。

2013年3月3日日曜日

映画のすすめ20-歯をくいしばる子ら

映画「警察日記」の二木てるみさん










   きのう、羽田空港で、搭乗口ちかくにある待合席にすわっていると、前の席で小学3年生くらいの女の子が両親に叱られていました。5、6歳の男の子がそばで泣いています。お母さんが怒っている理由は、お姉ちゃんが弟の面倒をちゃんとみない、姉として自覚が足りないということ。お父さんも、弟が泣いているのはおまえのせいだとお姉ちゃんを責めていました。
   女の子は歯をくいしばって、涙をこらえています。
   なにがあったか知りませんが、親のうちどちらかはお姉ちゃんの味方になってあげてもいいのにとおもいました。