2011年12月3日土曜日

乱読のすすめ30-日名子暁「詐欺師たちの殺し文句」

日名子暁 主婦の友新書












   「150日間で3倍になる」投資説明会。

   KKC(経済革命倶楽部)、山本会長、登場。

   「わたしは、この地球と人類の危機を救うため大聖人としての使命を果たせと、神から啓示を受けたのです。集めたお金を使ってさまざまな投資をしています。大分県の大理石の山。インドネシアの石油…わたしがお金をかきあつめてドロンする詐欺師に見えますか? 解約したいときは、キャンセルのキャンの一言で、すぐお金をお返しします。わたしのことを、サギでなく、ツルと呼んでほしい!」

   (参加者から笑いと拍手)

   そこに、きんきらきんの服をきた会長の妻が登場。

「みなさん、この人の顔をよく見てください。この顔が人を騙すように見えますか? むしろ騙される顔でしょう」


   なぜ、こんなばかばかしい説明会で、たくさんの人が騙されたのでしょう。

   国会で消費者問題にとりくみ、さまざまな悪徳商法の手口をみてきましたが、詐欺師に共通しているのは、黒を白、猫を虎、ねずみをゾウ、海を山だと、いささかのためらいもなく、自信たっぷりに言い切ること。

   聞いた方は、まさかとは思いつつ、あまりの「自信たっぷりさ」に、ついつい惑わされ、最後は信じてしまう。

   こういう手法は、ときどき政治家や首長も使うので要注意。
   「詐欺師たちの殺し文句」(日名子暁・主婦の友社)を読んでそうおもいました。