絵、E.B.ルイス 光村教育図書 |
米国の作家、ラングストン・ヒューズが18歳のときにかいた有名な詩「川のうた」をそのまま絵本にしたもの。E.B.ルイスの深みのある絵が、ヒューズの世界をそのまま私たちにぶつけてきます。
絵本をこえた、芸術作品です。
川のうた
わたしは、たくさんの川を知っている
世界のなりたちと同じくらい古く、人間の体を流れる血より深い川を。
それで、わたしの魂も、川のように深くなったのだ。
夜が明けそめるころ、わたしはユーフラテス川で水をあびた。
コンゴ川のほとりに小屋を建てたときは、瀬音を子守唄にして眠った。
ナイル川をながめ、川をみおろす地に大きなピラミッドを築いたこともある。
ミシシッピ川が歌うのを聞いたのは、エイブ・リンカーンがニューオリンズに向かった時のこと。
ミシシッピ川の濁った水が夕日をあびて金色に染まるのも、わたしは見てきた。
わたしは、たくさんの川を知っている。
大むかしからある、暗い色の川たちを。
それで、わたしの魂も、川のように深くなったのだ。
ラングストン・ヒューズ ( 訳、さくまゆみこ )
この絵本を公民権運動をになった英雄たちに捧げる
E.B.ルイス