2011年12月2日金曜日

乱読のすすめ29-大阪、どないなってんねん?

橋下徹 堺屋太一
文春文庫













   わたしの生れは京都ですが、父方の本家は代々、大阪で造り酒屋をいとなんできました。
   半大阪人として、今回の大阪ダブル選挙の結果は、やはり気になります。

   開票の翌日、学生時代の演劇仲間で、いまは某銀行の中堅幹部であるSくん(大阪市在住)に電話をしてみました。

   わたし 「大阪、どないなってんねん? きみは平松さんに入れてくれたんやろな」
   Sくん 「………」
   わたし 「ほぉ~。裏切ったな」
   Sくん 「わるいなー、おまえの選挙のときは、入れたるさかい」
   わたし 「なんで、橋下さんやねん?」

   Sくん 「みんな、変化を見てみたいんとちゃうか。景気はわるいし、民主党もあかんし」


   「変化を見てみたい」? 橋下さんは、いったいなに変えようとしているのか。
   かれ自身のことばをもっと知らねばと、きのう東京駅の書店で買って、仙台行きの新幹線のなかで読んだのが、「体制維新」(文春文庫)。

  橋下さんがいいたいことの結論は、「さまざまな体制(システム)を変えることこそが変革である」「ふるい体制(システム)をこわすときは、かならず守旧派から反発がある。だから私はたたかわねばならないのだ」ということ。

   10年前の「小泉劇場」が、役者をかえて、大阪で興業されているような気もしますが、問題は、体制(システム)を変えて、なにを実現しようとしているのか。

   大企業優先の都市開発やカジノ(賭博場)づくり、首長の意向にそわない職員をいつでもクビにできるようにしたり、右傾思想を子どもに押し付けたり…ほんとうにそんな「変化」を大阪の人たちはのぞんでいるのでしょうか。

   政治のなかみについての審判は、これから下るとおもいました。