2011年12月28日水曜日

映画のすすめ9-原田美枝子の名セリフ


   映画「はつ恋」(2000年)のワンシーン。むかしの恋人、藤木(真田広之)が、余命すくない病床の志津枝(原田美枝子)を訪ねてきます。窓の外には桜が満開。

  藤木 「 桜か。ひとりで見るにはきびしい花だよな。おまえはこの一年、なにをやってきたと…」
  志津枝「 私だって、なにもしてない…でも、生きてきたわ」




    「北の国から」第2話(1981年)。りょうこ先生(原田美枝子)が、悪ガキの正吉にスカートめくりをされて泣きそうな女子にいいます。
   「(正吉の)パンツ下ろしてあげなさい」








   映画「愛を乞うひと」(1998年)では、幼いころより母から激しい虐待をうけ、家を飛び出した照恵(原田美枝子)が、娘・深草(野波麻帆)といっしょに、その母を探し出し、二十数年ぶりに再会します。

   とある漁師町で小さな理容店を営んでいた母。照恵は意を決して店に入りますが、母はお客さんとおもい気付いてくれません。「2千円いただきます」という母に、照恵は「いつまでもお元気で」と言って店を出ます。

     帰りのバスの中で、深草が照恵に「どうして、娘だっていわなかったの」と聞きます。
     照恵はいいます。
   「あんたが生まれたとき、あたしは嬉しかった、幸せだった。だから、もういいの…やっと母さんにさよならが言えたよ。おかしいでしょ、あんなひどい母親に、可愛いよ、お前のことが可愛いよって言ってもらいたかったなんて」
   「可愛いよ、母さん」
   「深草、母さん泣いてもいい?」
   「いいよ」
   照恵は、揺れるバスの中、娘・深草の肩に顔を押しあてて静かに泣きつづけました。