ル―ニー・マーラー(リスベット役) |
最近、おもしろかった小説はなんですか?
おもしろかった映画はなんですか?
― と聞かれたら、両方ともスウェーデンの作品、「ミレニアム1、ドラゴン・タトゥーの女」と答えるでしょう。
スウェーデンの反人種差別、反極右の作家、スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーとなったミステリー・サスペンス「ミレニアム・シリーズ」の第一弾を映画化(スウェーデン映画をハリウッドがリメイク)したもので、本年度アカデミー賞5部門ノミネート作品。
背中にドラゴンのタトゥをした頭脳明晰な天才ハッカー、リスベットが、猟奇的事件の謎を解いていきます。ただ、リスベッドには、幼いころから暴力にさらされた辛い過去がありました…。
以前、観たスウェーデン映画「歓びに歌をのせて」にも、夫の暴力に苦しむ若い女性が登場しました。周囲の人びとも見て見ぬふり。最後には被害者をかばうようになりますが…。
スウェーデンは、先進国のなかでも女性の政治や行政、産業分野への参画がすすんでおり、女性全体の労働力率も高い国です。当然、女性の尊厳も確立しているのかとおもったら、意識面では女性差別がいまだ根強く存在し、家庭内暴力や性的虐待も少なくないとのこと。スウェーデン社会が抱える心の闇を感じます。