甲太郎
「乙さん、なんやその子ネコは?」
乙松
「見たらわかるやろ。福笑いちゃんに男の子が生まれたんや」
甲太郎
「そら、おめでとーさん。そやけど、一匹だけかいな?」
乙松
「将来不安のせいか、ネコも少子化の時代や」
甲太郎
「ところで、名前はつけたんか?」
乙松
「福太郎ちゃんや」
甲太郎
「福太郎ちゃんのためにも、明るい日本を残してやりたいなー」
甲太郎
「そういえば、きのう、ええ夢みたで。年寄りを大事にする病院の夢や」
乙松
「ほう。どんなふうに?」
甲太郎
「いまの政府みたいに、年寄りは病院に来るな、医療費使うなという考えとちがうねん。いつでも気軽にどんどん病院にきてください、早めにきてもろて、病気の早期発見、早期治療をしたほうが、重病化してから病院にきて手術するより、本人のためにもなるし、医療費全体も少なく済むという考え方や」
乙松
「なるほど。そのほうが正しい気がする。逆転の発想やな」
甲太郎
「そやから年寄りの自己負担なんかあらへん。それどころか病院に行くたびにポイントカードが貯まるねん」
乙松
「ほう、ポイント貯めたら、何もらえるんや?」
甲太郎
「入院券」
乙松
「至れりつくせりやないか」
甲太郎
「それだけやない。乙さんみたいなハンサムなお医者さんがいて、ワシ、胸がドキドキしたわ」
乙松
「前から聞こうと思てたんやけど、あんた、ほんとは『逆転』してるんとちゃうか?」
甲太郎
「しかし現実はきびしいなあ。民主党は自分たちも野党のときはあれだけ反対した後期高齢者医療制度を結局つづけるみたいやで」
乙松
「公約ぜんぶ投げ捨てて、無責任な奴らやなー」
福太郎 |
甲太郎
「それはそうと、福太郎ちゃんのお父さんは誰やねん?」
乙松
「ダイモンとかいう議員が飼っとる黒猫のゴンベエや」
甲太郎
「そのゴンベエはいまどこにおるんや?」
乙松
「福太郎の養育費をかせぐために下町へ出稼ぎに行っとるらしい。なんでも、スカイツリー景気で、ネコの手も借りたいそうや」
甲太郎
「さすが飼い主に似て責任感の強いネコやな。民主党よりえらいわ」