ポール・フライシュマン あすなろ書房 |
「あの子ったら、かわいそう。いつもひとりだけ、はみだしてるわ」
おかあさんが、そういった。
「たしかに、あの子はういてるな」
おとうさんは、そういった。…
ともだちからは仲間はずれにされ、両親にも理解してもらえない少年ウェズレ―が、夏休みの自由研究でつくりだしたのが、自分だけの「文明」でした。
あたらしい作物をつくり、あたらしい自分だけの服をつくり、遊びも言葉も発明する…やがて近所のこどもたちも面白がって、「ウェズレ―の国」の「国民」に…。
九月になって学校がはじまったとき、ウェズレ―は、もうひとりぼっちではありませんでした。
…ちょっと変わった子ども、ういている子どもほど、大きなことをやるかもしれません、だから自由にさせてあげましょう。