童話館出版 |
だれだって、ときには、ゆくえふめいになりたくなる。
まい朝、まい朝、四時におきて、町中のおくさんがたに、ミルクとチーズをとどけるミルクやさんが、あるとき、なにもかもいやになって…。
ミルクやさんは、てる日も、ふる日も、ゆきの日も、まちの一けん、一けんをまわります。
町のおくさんがたは、あいさつがすむと、お天気の話です。
まいにち、くたくたのミルクやさんは、あるばん、町じゅうのおくさんがたが、「ねえ、ねえ、ミルクやさん、お天気はどうなのよ?」といいながら、ミルクやさんのまわりで、おどりまくり、うたいまくる夢をみます。
よくじつ、ミルクやさんは、配達をやめて、森へでかけます…
町じゅうが、ゆくえふめいになったミルクやさんをさがしているときいたミルクやさんは…
スイス生まれの絵本作家、ロジャー・デュポアザン。動物を主人公にした絵本のおおいデュポアザンにしてはめずらしく、悩める人間をえがいた作品です。