2012年8月24日金曜日

乱読のすすめ61-裸の実存















  第2次世界大戦中、ナチスの強制収容所で妻を殺され、自らも生死の境をさまよった、ウイーンの精神病理学者ヴィクトール・フランクル。フランクルの『夜と霧』は、世界的なベストセラーとして、いまも読み継がれています。この本のなかで、フランクルは、人間はどんな極限状況に追い込まれても、「生きる意味」をもち続けることが重要であり、それが最後に生死をわける決定的な要因になると述べています。

   戦後、フランクルは、「平和な時代にいるのに、生きる目標を見失う」という、新たな精神の問題にも取り組みました。フランクルの講演集『それでも人生にイエスと言う』(春秋社)は、現代人に「裸の実存」にもどるようよびかけます。

2012年8月22日水曜日

絵本のすすめ51-ちょいワル男は なぜもてる

ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵













   あくたれねこの ラルフは セイラの ねこでした。
   あくたれでも、セイラは、ラルフが すきでした。

2012年8月20日月曜日

乱読のすすめ60-自らを罪するの弁


絵 あべ弘士










   日本が敗戦をむかえた1945年の8月23日、朝日新聞は「自らを罪するの弁」という社説をかかげ、国民に真実を伝えず戦争に突入させた責任について謝罪しました。
   さらに同年11月7日には「国民と共に起たん」という社告を出し、今後は「国民の機関」としてはたらくと宣言しました。あれから67年…。

2012年8月18日土曜日

絵本のすすめ50-ゴッホ 風がはこんだ色彩

キアーラ・ロッサーニ作(西村書店)














   37才という若さで生涯をとじた天才画家ゴッホ(1853年~1890年)。ゴッホには、テオという仲のいい弟がいて、ふたりはたくさんの手紙のやりとりをしました。
  絵本「ゴッホ 風がはこんだ色彩」は、残された手紙をもとに、兄弟の深い愛情ときずなを描いた物語です。

2012年8月13日月曜日

映画のすすめ15-ドブネズミみたいに 美しくなりたい

     韓国の若手演技派女優 ペ・ドゥナ











  1995年に解散した伝説のロックグループ「ザ・ブルーハーツ」の名曲、「リンダリンダ」。

“ ドブネズミみたいに美しくなりたい   写真には写らない美しさがあるから
  リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ…”

2012年8月8日水曜日

絵本のすすめ49-ゆくえふめいのミルクやさん

童話館出版















   だれだって、ときには、ゆくえふめいになりたくなる。

   まい朝、まい朝、四時におきて、町中のおくさんがたに、ミルクとチーズをとどけるミルクやさんが、あるとき、なにもかもいやになって…。
 

2012年8月2日木曜日

乱読のすすめ59-四つの幸せ

絵 鈴木周作











   神奈川県川崎市のN工業は学校などで使う「チョーク」をつくる会社です。
   いまから50数年前、専務だったOさんは、ある養護学校の先生から、知的障害をもつ二人の少女の就職をたのまれます。最初は断ったOさんですが、先生の熱意に押され、仕方なく雇うことにしました。