2012年7月9日月曜日

消費税も金利もあげる? 動きだすサラ金議員たち










   先月末、国民の多数が反対しているにもかかわらず、民主、自民、公明の三党が合意し、消費税の増税法案を衆院で可決しました。同時に可決された「社会保障制度改革推進法」も、国民の自助努力を強調し、国の社会保障にたいする責任を放棄するもので、小泉内閣時代の社会保障の連続改悪路線への逆戻りに他なりません。
   しかし小泉政権のときは消費税の増税はありませんでした。3党が合意したのは、社会保障の連続改悪と消費税増税をセットで行うという最悪のシナリオ。3党談合政治は、あの悪名高い小泉政治よりさらに危険です。
   ただ、政治を動かすのは、結局、国民世論。「いまは増税すべきでない」をふくめ反対が7割、8割ともなれば採決強行などできなくなるでしょう。反対世論をもっと広げ参院で廃案に追い込むために頑張り抜きたいとおもいます。
  
   こういう消費税問題のドサクサにまぎれて、サラ金業界の意向をうけた民主党、自民党の一部の国会議員が、利息制限法の制限金利をなんと年30%に引き上げるための議員立法を、今国会に提出しようとしています。

   かつてサラ金の暴利むさぼりと過酷な取り立てが社会問題になり、2006年に全会一致で貸金業法の改正がおこなわれ、制限金利の15~20%への引き下げや貸し出す金額に歯止めをかける総量規制などが導入されました。
   その後、多重債務者は減少し、自己破産、借金苦による自殺、ヤミ金融被害も確実に減るなど、法改正の効果はあらわれてきています。

   にもかかわらず民主党、自民党の一部が、貸金業界のために「巻き返し」をはかろうとしているのです。2006年の金利引き下げの法改正ために尽力した議員の一人として断固、許すわけにはいかない。関係者や中小事業者からも「消費税増税のうえに、金利まで引きあげるのか」と怒りの声があがっています。
   中心になって動いている議員は以下のとおりです。

◆「貸金業法改正の影響と対策に関する勉強会」
   呼びかけ人等 平将明(自民・比例東京) 樽床伸二(民主・大阪12 区)
                        田村謙治(民主・静岡4区)  竹本直一(自民・近畿比例)
                         平沢勝栄(自民・東京17 区) 遠山清彦(公明・比例)
                         桜内文城(みんなの党・参院比例)

◆自民党「小口金融市場に関する小委員会」
  竹本直一(小委員長) 平将明(事務局長) 西村康稔(財務金融部会長・兵庫9 区)

◆民主党「財務金融部門改正貸金業法検討WT」
  桜井充(座長・参院宮城) 網屋信介(事務局長・比例九州)


…元サラ金会社の役員や、貸金業者との「つながり」のある議員が主要メンバーです。サラ金業界のために何度も国会質問をしている議員もいます。特定業界や企業から献金を受けたり、パーテイ券を購入してもらい、その業界・企業のために国会質問したら「受託収賄」に問われる時代だということも知らないのでしょうか。ましてや立法化するなど収賄の疑いがいっそう濃厚です。



   超低金利の日本でなぜ30%もの高金利にしなければならないのか。現行の15-20%だって高すぎる。制限金利は、上げるどころか、むしろ下げるべきではないでしょうか。