「12の贈り物」(シャーリー・コンスタンゾ作、 黒井健 絵) |
3月12日、東京電力福島第1原発で爆発がおきたとき、原発から十数キロのところを車で移動していました。被災地調査のため早朝に東京を出発し、午後にいわき市の避難所をたずねたあと、北上していたときのことでした。
車の窓をしめ、ラジオを聞きながら逃げました。目に見えない放射能の恐ろしさを身をもって実感しました。
のどかで美しい福島県に、いま放射能汚染という暗雲がたれこめています。
一日も早く事故を収束させ、除染をおこない、ひとびとの日常をとりもどさなくてはなりません。
同時に、原発ゼロにむけて具体的、計画的ににふみだすことが大切です。
ところが、事故から半年もたつと、マスコミでも、原発ゼロを叫ぶのは経済のことをかんがえない非現実的で無責任な主張だ、もっと大人の対応をすべき、といった論調がみられます。
野田新総理も、そういう声に応援されて、原発からの撤退を、「長中期的」課題に棚上げするつもりです。
しかし、今回の事故に遭遇した私たちおとなの本当の責任は、子どもや孫の世代に、原発のない日本をのこすことではないのでしょうか。