2012年4月12日木曜日

乱読のすすめ50-「ふたたびの春に」

東京市ヶ谷のサクラも満開












  先日、久しぶりに休みをもらい、リュックに本2冊と缶ビール2本を入れて、サクラめぐりに出かけました。
   六本木、四谷、市ヶ谷、浜離宮、お台場、亀戸天神、隅田川公園と、途中、電車にも乗りましたが、歩いた距離だけで十数キロ。体重も400グラムほど減りました。
   隅田川公園からは、話題のスカイツリーが見えました。立派なタワーですが、色が灰色に見えるせいか(スカイツリーホワイトというそうです)、殺風景で無機質な感じがしました。東京タワーみたいに少し着色すれば、ロマンチックなのに。
   なにはともあれ、桜を満喫。しばらくぶりに、おだやかな時間を過ごさせていただきました。

   桜の木の下で読んだのが、藤沢周平「隠し剣秋風抄」と和合亮一「ふたたびの春に」。
   「ふたたびの春に」(祥伝社)は、福島県在住の詩人で中原中也賞を受賞した和合亮一さんの詩集です。3・11からの1年を詩で記してあります。そのなかの「握手」という作品を紹介します。


              握手

         握手をしよう
         あの日から
         変わってしまったこと 少しも変わらないこと
         その両方を お互いの手にこめて
         固く確かめ合おう 僕らの故郷のしるしを

         雲が浮かび 木が芽吹き
         川が流れ  鳥がさえずり
         山はゆるがない
         やがて  花が咲く

         あなたの手は わたしの手を握る
         だから あなたの手を握ろう
         あなたの手を握り返そう