2011年11月25日金曜日

選ぶべき道は脱原発です

選ぶべき道は脱原発
ではありません









   「WⅰLL 」という月刊誌をよんでいて、びっくりしました。

   評論家の櫻井よしこさんが、写真入りで「選ぶべき道は脱原発ではありません」という意見広告(国家基本問題研究所)をだしています。いったい、その意図はどこにあるのか。

   櫻井さんにいわせると、東電福島原発の事故がおしえてくれたのは、① 事故は原発管理のずさんさによる人災だった、② 震源地により近かった女川原発が生きのこったように日本の原発技術は優秀だった、この2点だとのこと。

   したがって、「管理」の問題と、震災・津波に耐えた「技術」の成果を分離してかんがえるべきであり、事故をまねいた「構造的原因」を究明して、より安全性を向上させればいいのだ。日本は、脱原発ではなく、国際社会において原発関連の技術革新を牽引(けんいん)していくことこそ国益になるのだと。

   前提の①も②もまちがっています。「管理」の問題ではなく、安全神話にどっぷりつかり、そもそも大地震、大津波を想定していなかった、また女川原発は今年4月7日の余震で外部電源がシャットアウトするほど貧弱な技術しかもっていませんでした。結局、原発事故を絶対におこさない技術は人間にはつくれません。だから、原発はなくしていくしかないのです

  もっとも、櫻井さんは、安全うんぬんより、ほかの目的で、こんな意見広告を出したのではないか。

  櫻井さんや石原都知事などの核武装論者は、「核をつくる技術が外交的な強さにつながる。原発の技術は軍事面でも大きな意味を持つ」と主張しています。要するに、いずれ核武装するために原発を維持すべきだと。

  そう思っているのなら、こんな虚偽広告はやめて、正面からそう言えばいい。
  「みなさん、核兵器をもつために、これからも原発事故の危険に耐えましょう」と。

  とくに福島に行って、話してみればいい。できるものなら。  苦しむ民の声を聞け。