2012年6月15日金曜日

絵本のすすめ43-はせがわくん きらいや















   ぼくは、はせがわくんがきらいです。はせがわくんと、いたら、おもしろくないです。なにしてもへたやし、かっこわるいです。はなたらすし、はあ、がたがたやし、てえとあしひょろひょろやし、めえどこむいとるかわからへん…。

   長谷川集平作「はせがわくんきらいや」(復刊ドットコム)は、昭和30年ころにおきた「森永ヒ素ミルク事件」を題材に、作者自身の実体験もまじえた絵本です。


 








   ようちえんのとき長谷川くんは来たんや。乳母車に乗せてもろて来たから、みんな「赤ちゃんみたいや」ゆうて笑ろてもたで。
   先生が「長谷川くん、からだ弱いから大事にしてあげてね」ゆうた。

   「あのね、あの子は、赤ちゃんの時、ヒ素という毒のはいったミルクを飲んだの。それから体こわしてしもたんよ」と、おばあちゃんがいうた。「でもあの子、元気な方なの。もっとひどい人や死んだひともぎょうさんおったんよ」

   長谷川くん、泣かんときいな。長谷川くん、わろうてみいな。長谷川くん、もっと太りいな。長谷川くん、だいじょうぶか。長谷川くん。
   長谷川くんといっしょにおったら、しんどうてかなわんわ。長谷川くんなんかきらいや。大だいだいだい、だあいきらい。