2012年4月10日火曜日

「だますつもりはなかった」 詐欺罪おそれるAIJ社長


私の質問を聞く、AIJ浅川社長(右)と
アイティーエム証券西村社長(左) 4月3日











   中小企業などの年金資産、約2000億円を消失させたAIJ投資顧問事件。AIJの浅川社長は顧客に虚偽の運用実績を伝え、資産消失の実態を隠ぺいし続けました。その隠ぺい工作に使ったのが、AIJが実質支配しているアイティーエム証券(西村社長)です。
   4月3日、参議院財政金融委員会で参考人質疑がおこなわれ、浅川社長と西村社長に質問しました。

   日経など一般紙でも取り上げられましたが、わたしの質問で、アイティーエム証券の未公開株の評価額を高く見積もり、自らが投資対象にしているファンド(投資基金)の価値操作をはかったこと、解約への対応に、新規顧客から集めた資金を充当する「自転車操業」のしくみがあったこと、AIJの接待の対象に年金基金も入っていることなどが明らかになりました(詳細はホームページ国会議事録をご参照ください)。
 
   衆院、参院の参考人質疑をつうじ、浅川社長は一貫して「だますつもりはなかった」と主張しました。「つもり」があったかどうか、つまり意図的だったかどうかは、詐欺罪に問われるかどうかの分かれ目になります。だから、浅川社長は「つもりがなかった」と言い続けているのだとおもいます。
 また西村社長は、AIJが顧客から預かった資産が消失していたことを、「知らなかった」と主張し続けています。知ったのは事件が明るみに出てから、報道で知ったとのこと。しかし、長年、浅川社長の子分同然で働かされてきた西村氏が何も知らなったというのは不自然すぎます。これも「知っていた」となれば、浅川社長の詐欺の共犯に問われるから否定しているのでしょう。
  年金を失った方々への償いよりも、自分の身を守ることに必死な二人をみて、まことにみっともないとおもいました。

 国会の役割は、犯罪の立証ではありません。それは捜査権をもった警察、検察の仕事です。詐欺罪に問われのは時間の問題でしょう。
   国会は、二度とこういうことが起きないようなしくみをつくることにあります。その前提としての事実解明です。4月13日には、衆議院で証人喚問がおこなわれます。AIJ事件の闇の解明はまだまだこれからです。