2012年4月7日土曜日

夜桜満開

東京千代田区 千鳥ヶ淵のソメイヨシノ











   国会から一番ちかい桜の名所といえば、皇居の北側にある千鳥ヶ淵です。参議院の予算委員会が終わり、一息ついた夜、ぶらりと歩いてみました。

   「江戸はこうして造られた」(鈴木理生、ちくま学芸文庫)によれば、千鳥ヶ淵は、江戸城築城のとき、防衛のためだけでなく、家臣団と住民の飲料水確保のために、城周りの小さな河川をダムで堰きとめてつくられたとのこと。
   江戸城を取り囲む内堀のなかで、他のお堀は人工的な直線が多いのにたいし、千鳥ヶ淵だけが自然の地形をそのまま残し、その姿が千鳥に似ていることから、千鳥ヶ淵と名づけられたそうです。

   千鳥ヶ淵にそって緑道があり、桜の時期は夜のライトアップがおこなわれ、見事な夜桜をたのしむことができます。

   この緑道は、桜の時期以外にも折々の趣きをもち、わたしのお気に入りの散歩道です。

   緑道をはさんだ先には、千鳥ケ淵戦没者墓苑があり、第二次世界大戦のときに海外で死亡した身元不明の日本人の遺骨、約35万5千余柱が安置されています。いつも墓苑のまえを通るたび、家族のもとへ帰れなかった無念のおもいが伝わってきて、厳粛な気持ちになります。