2012年3月2日金曜日

がんばれ 国家公務員


函館Nさんから頂いた絵葉書








   先月29日午前の参院本会議で、国家公務員の給与引き下げ法案が民主、自民、公明などの賛成多数で可決され、成立しました。日本共産党と社民党、自民党の西田昌司議員が反対しました。
   人事院勧告制度を無視したうえに、それを上回る賃下げを議員立法で押しつける「二重の憲法違反」です。また、大幅な賃金引下げは地方公務員など600万人の賃金にも影響を与え、民間との賃下げ競争をまねき、さらにデフレを悪化させ、内需の冷え込みを加速させることになります。
   気になるのは、この間つづいている「公務員を減らせ、給与を下げろ」の異様な大合唱です。ここまでくると、社会的な「いじめ」ではないのか。マスコミにあおられて、国民の多くも「いじめ」に加担しているのではないのか。全体主義的な、きな臭さを感じます。

   国民のために頑張っている公務員もいるのです。ちょうどその日の午後、被災地のためになる案件をもって、国税庁の役人がわたしの部屋をおとずれました…。

  被災地の漁場でがれきの撤去をおこなった場合、国が助成金をだす制度があります。その制度のもと、がれきの撤去の仕事についた方々の収入については、事業所得(雑収入)あつかいとされてきました。
   しかし事業所得といわれても、引ける経費もなく、多額の税負担になり、翌年の国保料など他の負担も連動して増えることになります。被災地の漁場のがれき撤去の仕事は、失業対策事業でもあることから、労賃すなわち、給与所得あつかいにすべきです。給与所得になれば、給与所得控除を収入から引くことができ、税負担が軽くなります。
   この問題を、先月24日、岩手県商工団体連合会の方々と一緒に国税庁につよく要請しました。国税庁の役人は、当初、否定的な対応をしめしましたが、現場の実態を聞くうち、なにか方法がないか検討させてほしいとのことでした。
  そして29日に、租税特別措置法の27条を適用し、給与所得控除なみの最低65万円の必要経費の控除ができるようにしたいと回答してきたのです。
   ふつうなら、すでに確定申告が始まっているときに、新しい判断などしないのが「お役所仕事」ですが、被災者のために機敏に姿勢を改めてくれました。わたしから率直に謝意をのべ、今後も被災地に目配りしてくれるようお願いしました。

   国会にいると、毎日のように顔を合わせる国家公務員の人たち。きびしく批判したり、あつく激励したりのくり返しですが、国民の方をむいて頑張ってほしいといつもおもっています。