2012年2月29日水曜日

映画のすすめ11-「ドラゴン・タトゥーの女」

ル―ニー・マーラー(リスベット役)








   最近、おもしろかった小説はなんですか?
   おもしろかった映画はなんですか?
   ― と聞かれたら、両方ともスウェーデンの作品、「ミレニアム1、ドラゴン・タトゥーの女」と答えるでしょう。

   スウェーデンの反人種差別、反極右の作家、スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーとなったミステリー・サスペンス「ミレニアム・シリーズ」の第一弾を映画化(スウェーデン映画をハリウッドがリメイク)したもので、本年度アカデミー賞5部門ノミネート作品。
   背中にドラゴンのタトゥをした頭脳明晰な天才ハッカー、リスベットが、猟奇的事件の謎を解いていきます。ただ、リスベッドには、幼いころから暴力にさらされた辛い過去がありました…。

   以前、観たスウェーデン映画「歓びに歌をのせて」にも、夫の暴力に苦しむ若い女性が登場しました。周囲の人びとも見て見ぬふり。最後には被害者をかばうようになりますが…。

   スウェーデンは、先進国のなかでも女性の政治や行政、産業分野への参画がすすんでおり、女性全体の労働力率も高い国です。当然、女性の尊厳も確立しているのかとおもったら、意識面では女性差別がいまだ根強く存在し、家庭内暴力や性的虐待も少なくないとのこと。スウェーデン社会が抱える心の闇を感じます。

   「ミレニアム」がこんなに大ヒットしたのは、たんにサスペンスとして面白いだけでなく、男の暴力に傷ついた過去を持ち今も「男社会」の暴力とたたかう主人公リスベット、それでいて男の温もりを求めてしまう哀しいリスベットを、みんなが愛しくおもい、応援したくなるからではないかとおもいました。

   「ミレニアム・シリーズ」は、ハヤカワ文庫で、「ドラゴン・タトゥーの女」、「火と戯れる女」、「眠れる女と狂卓の騎士」の三部作が刊行されています。夢中になって読んでしまうので、睡眠不足にご注意。