2012年1月3日火曜日

新春じじ放談―ずるいぞ大新聞




    ご隠居・甲太郎
   「おつとっと、乙さん、今年もよろしゅうたのんます。ところで、あんた何歳(いくつ)にならはったん?」
    ご隠居・乙松
   「ええっと、……忘れてしもた。甲さん、あんたは?」
   甲太郎
   「ワシはまだ、かぞえで二十歳(はたち)と五十や。延命装置つけてでも、年金できるだけもろたろかと思てんねん」
    乙松
   「そら立派な心がけや。年金減らされたら、長生きして元とるしかないわな」

   甲太郎
   「ところで元旦の各新聞の社説よんだか?もう、開いた口がふさがらんかったわ」
   乙松
   「口が開いたままか。そら、大変やったろ」
   甲太郎
   「そやねん。孫がゴミ箱と間違うて、アメの包み紙すてに来よったわ」
   乙松
   「アホな孫やなぁ。あんたに似たんか」
    甲太郎
   「いや、ばあさんや。ばあさんも時々やりよる。ところでワシがいいたかったんはな、朝日、読売、毎日、日経、どの社説もみんな同じこと書いてんねん」

甲太郎 翁



    乙松
  「甲さん、四つも新聞とってんのか。金持ちやなぁ」
    甲太郎
   「元旦からあいてたコンビニで立ち読みしたんや」
    乙松
   「ええ根性しとるな」
    甲太郎
   「それでな、どの新聞も前置きは民主主義の危機や、資本主義の危機やとごたく並べて、結局なにがいいたいのかとおもたら、だからTPPに参加せえ、消費税増税は避けられへん と、同じことをいいよるねん」

乙松 翁







    乙松
    「新聞がみんな同じことゆうのはコワイなぁ。むかしの大政翼賛会みたいや。そういえば、大新聞はせこいでぇ。消費税をあげるときは、新聞だけ軽減税率を適用してくれ、つまり消費税をオマケしてくれと、カゲで要望してるそうや。ダイモンというどっかの議員がゆうとったわ」
    甲太郎
    「なんやそれは。増税あおっといて、大新聞も消費税いやなんか。自分だけ割り引けとはずるいなー、ワシもいまから要望しとこ」

    甲太郎
    「ところで、正月からどの新聞にも、経団連の会長が出とったんは何でやろ?」
    乙松
    「あの、おなかが垂れてるひとか。」
    甲太郎
   「そや。夏バテのたぬきみたいなやっちゃ。消費税増税やれとか、TPPに参加しろとか、好き勝手ゆうとったわ」








    乙松
    「ワシは大新聞と経団連はグルやないかと疑っとる。大企業はTPPで輸出伸ばしたい。消費税増税して法人税などもっと下げさせたい、そういう大企業からガッポリ広告宣伝費もろて代弁したってるのが大新聞やないか」
    甲太郎
    「なるほど。さすがに乙さん鋭いなぁ。あんたどこの新聞よんでんの?」
    乙松
    「しんぶん赤旗や」
    甲太郎
    「そらかなわんわ。ワシも読ましてもらおかいな」
    乙松
    「立ち読みはあかんで」