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窪島誠一郎作 アリス館 |
長野県上田市塩田平、のどかな丘陵地の頂きに戦没画学生慰霊美術館「無言館」があります。
第二次世界大戦で戦地に散った画学生30余名、300点以上の遺作が展示されています。それは館主の窪島誠一郎さんたちが全国各地の遺族を訪ね歩いて預かったものです。
絵本『約束ー「無言館」への坂をのぼって』のなかで、窪島さんはいいます。
「なぜ、『無言館』っていう名まえをつけたかって?」
「だって、戦死した画学生さんの絵の前に立ったら、悲しくて、くやしくて、つらくて、何もいえなくなっちゃうんだもの。黙るしかないんだもの」
私が「無言館」を訪ねたのは5年前。木立の中の坂道をのぼっていくと、明るい丘の上に、修道院のような建物がありました。中は飾りっ気のないコンクリートの床と天井。静けさと光の少なさに、時間が止まったような感覚をおぼえます。
戦争で命を奪われ、画家への夢を断たれた若者たちの絵。その命の証は、くるおしいほど熱情を秘めたものかとおもえば、案外、おだやかで静か。
恋人でしょうか、女学生を描いた一枚の絵に足が止まりました。実ることのなかった画学生のおもいが胸にせまります。
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窪島誠一郎 講談社 |
敗戦から70年ちかい時が経ち、悲惨な戦争の記憶が風化しつつあるのか、好戦的な人物が政治の舞台に登場し、生活の閉塞感の解消をナショナリズムに求めてしまう若者も増えています。
どうすれば、おなじ過ちを繰り返さないですむのか。戦前から戦争に反対してきた日本共産党の責任と役割は大きいと感じています。